2027年度(令和9年度)介護報酬改定のまとめ|いまの段階と日程、現場で準備できること

最終更新:2026年11月3日 書き手:和泉逸平(株式会社ヘルステクノロジー 代表取締役)

いまの段階:方向が示されたところで、点数はまだ決まっていません

令和9年度(2027年度)の介護報酬改定は、2026年4月から社会保障審議会の介護給付費分科会で議論が続いています。2026年9月30日の分科会で、改定の「基本的な視点(案)」が示されました。

ただし、示されたのは改定の方向です。基本報酬や加算の単位数、改定率(全体の上げ幅)は、まだ公表されていません。分科会の資料にある「論点」や「対応案」も、検討の途中のものです。

これからの日程

時期 予定(見込み)
2026年12月中 報酬と基準の基本的な考え方をとりまとめ
2026年12月末ごろ 改定率の公表(予算の決定にあわせて)
2027年1月ごろ 改定案の諮問・答申(新しい単位数が分かる)
2027年度 施行。第10期介護保険事業計画も始まる

日程は、第256回分科会(2026年4月27日)で示された進め方の案にもとづく見込みです。新しい資料が出たら、このページを更新します。

改定の5つの「基本的な視点(案)」

第268回分科会(2026年9月30日)で示された5つです。

  1. 物価・賃金の上昇等への対応と処遇改善:物価や賃金の上昇を報酬に適切に反映して経営を安定させ、他の職種と見劣りしない処遇改善をめざす。
  2. 人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築:地域ごとに違う高齢化と人口減少の進み方にあわせて、必要なサービスを確保する。
  3. 地域包括ケアシステムの深化:医療と介護の連携、認知症の人の地域での生活、科学的介護(LIFE)の活用など。
  4. 職場環境の改善と生産性の向上を通じたサービスの質の向上及び介護人材の確保:AI などの介護テクノロジーの活用や、業務の分担の見直し(タスクシフト/シェア)で職員の負担を減らす。
  5. 制度の安定性・持続可能性の確保:報酬の評価を適正化・重点化し、報酬の体系を整理・簡素化する。

現場に関わりそうな論点(検討中)

分科会の資料で、事務局が論点や対応案として示しているものです。どれも決定ではありません。

生産性向上と介護テクノロジー

  • 夜間の見守り機器などを使う場合の方策。
  • 2024年度に施設系で新しくできた「生産性向上推進体制加算」のあり方と、訪問系・通所系での取り組みをどう評価するか。

処遇改善

  • 他の職種と見劣りしない処遇改善と、離職を防ぐ方策。
  • 処遇改善加算などの分かりにくさと、事務の負担を減らすこと。

認知症への対応

  • 認知症基本法をふまえ、本人の意向を大切にした生活や社会参加につながる方策。
  • 加算の要件になっている認知症対応力向上研修のあり方、若年性認知症の人への支援。

人員配置

  • 人口が減っている地域で、事業所どうしの連携や ICT の活用を前提に、配置の基準を柔軟にすること。

点数が決まる前に、いまからできること

単位数が出るのは1月ごろです。それを待たずにできる準備があります。

  • 1日の業務量と勤務シフトを見えるようにしておく。生産性向上の取り組みを評価する仕組みが広がるなら、その土台になるのは「どの時間に、どれだけの仕事があるか」という事実です。
  • 処遇改善加算の取得状況と、事務の流れを整理しておく。加算の簡素化が議論されています。変わったときに慌てないように、今の届出と事務の担当を確かめておきます。
  • 機器の導入は、補助金の時期と合わせる。都道府県の介護テクノロジー導入支援事業は、交付決定の前に買った機器が対象外になるのが一般的です。
  • 認知症の研修の受講状況を把握しておく。研修のあり方が見直される可能性があります。

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出典

このページは、厚生労働省の公表資料をもとに整理したものです。個別の算定や届出については、厚生労働省の告示・通知と、指定権者(都道府県・市町村)の案内で必ず確かめてください。

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